力強い手に腕をひっぱられてぼくは身体を反された。
「ん……」
ひっぱられるといっても無理やりにではなくて。
でも少々強引だけど――
ベッドの上にうつむいて、腰だけ上げさせられた体勢のぼくに、彼が覆いかぶさり、彼自身を挿入される。はじめはゆっくり、そして徐々に早くなっていく行為にぼくは翻弄された。
ぼくの身体を知り尽くした彼は、ぼくのいいところを何度も突いて。
お互いの荒い息遣いが静かな部屋に響く。
彼がぼくの前に片手を伸ばしてぼく自身を掴んで上下した。
「あ」
そしてほぼ同時にぼくらは極めた。
彼はぼくの身体から彼自身をゆっくりと引き抜いた。
そしてまたぼくの体は彼の手によってなんなく返され、ぼくらは向かい合う。
「英二。好きだ。お前だけだ。お前だけを愛しているんだ」
ぼくの年下の恋人は彼の広い胸にぼくを包み込むようにぼくを抱きしめる。
「ぼくも、」
ぼくはそこで言葉を切った。
彼の大きな胸にぼくの顔は埋められていた。声を出しづらい。力強く抱きしめられているので身動きがとれない。息もしづらかった。
ぼくは少し面白くなる。
いつも余裕でなんでもできるの君なのに、こんな時はなんだか余裕がないような気がして。
ぼくより身体が大きけど、年下だし、ちょっとかわいい。
ぼくは彼の腕のなかでクスリと笑った。
なんとか顔を上げて愛しい恋人の名を呼ぶ。
「愛してるよ。―― シン」
続く
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